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- 生産性向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援
- 2026/4/3~5/8 ものづくり補助金第23次公募
- 中小企業・小規模事業者の革新的な製品・サービス開発や海外需要開拓を支援
- 2026/4/15~5/15 第6回中小企業省力化投資補助事業(一般型)
- IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるオーダーメイド設備の導入を支援
- 2026/5/19~6/19 第4回中小企業新事業進出補助金
- 既存事業とは異なる新分野へ進出を促進
- 随時 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
- 予め登録された製品カタログから選ぶだけで申請可能
土木一式・建築一式工事の定義と違いとは?
建設業許可の申請を検討するにあたって、「どの業種で申請すればよいか」という点で迷われる方は少なくありません。特に、土木一式工事と建築一式工事は名称が似ているため混同されやすく、選択を誤ると実際に行う工事を適法に請け負えないケースが生じます。
本記事では、建設業法に定められた両業種の定義・具体的な工事例・他の専門工事との区分についてわかりやすく解説します。
建設業許可の29業種:一式工事と専門工事の全体像
建設業許可は、建設業法第3条の規定に基づき、工事の種類ごとに取得が必要です。許可の区分は大きく2種類に分けられます。
- 一式工事:2業種(土木工事業・建築工事業)
- 専門工事:27業種(大工工事業・左官工事業・とび・土工・コンクリート工事業 など)
合計計29種類が法定されており、申請時にどの業種を取得するかを決める必要があります。複数の業種を同時に申請することも、後から追加取得することも可能です。どの業種で取得するかによって受注できる工事の範囲が変わるため、慎重に検討することが大切です。
なお、一式工事は「何でもできる万能な許可」ではありません。後述するとおり、元請として総合的に統括管理する工事に必要な許可であり、個別の専門工事を単独で請け負う際には別途その専門工事の許可が必要になります。
土木一式工事(土木工事業)の定義と工事例
土木一式工事の定義

土木一式工事とは、総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物を建設する工事のことです。複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事を、元請会社として全体を統括管理する際に必要な許可となります。
「土木工作物」とは、道路・橋梁・河川・ダムなど、土地に定着する人工的な構造物全般を指します。これらを元請として一体的に管理・施工する立場で受注する場合に、土木一式工事の許可が求められます。
土木一式工事の具体的な工事例
ー土木一式工事の例ー
・橋梁
・ダム
・空港
・トンネル
・高速道路
・鉄道
・軌道(元請)
・区画整理
・道路・団地等造成(個人住宅の造成は含まない。)
・公道下の下水道(上水道は含まない。)
・農業・かんがい水道工事
…など
これらはいずれも、複数の専門業者が関与する大規模工事であり、元請として工事全体を取りまとめる役割が前提となっています。個人住宅の庭の造成工事など、小規模なものは土木一式工事には含まれない点に注意が必要です。
建築一式工事(建築工事業)の定義と工事例
建築一式工事の定義

建築一式工事とは、総合的な企画・指導・調整のもとに建築物を建設する工事のことです。土木一式工事と同様に、元請業者の立場で複数の下請業者による施工を統括管理する際に必要な許可です。
土木一式工事との最大の違いは工事の対象物にあります。土木一式工事が橋梁・トンネルなど「土木工作物」を対象とするのに対し、建築一式工事は住宅・ビルなど「建築物」の新築・増改築を対象とします。
建築一式工事の具体的な工事例
ー建築一式工事の例ー
・建築確認を必要とする新築及び増改築
※建築工事業のみの許可で、他の業種における工事を単独で請け負うことはできません。
建築確認とは、建築基準法に基づき、建物を建てる前に行政から「この設計で建ててよい」という確認を受ける手続きのことです。一定規模以上の建築物には必ず必要となります。
なお、建築一式工事の許可を持っていても、内装工事・電気工事・配管工事などの専門工事を単独で請け負うことはできません。それぞれの専門工事許可が別途必要になります。
土木一式工事と建築一式工事の主な違い
2つの一式工事の主な違いを整理すると以下のとおりです。
| 比較項目 | 土木一式工事(土木工事業) | 建築一式工事(建築工事業) |
|---|---|---|
| 工事の対象物 | 土木工作物(道路・橋梁・ダム・トンネルなど) | 建築物(住宅・ビルの新築・増改築など) |
| 元請・下請の立場 | 元請として統括管理する立場で必要 | 元請として統括管理する立場で必要 |
| 工事の規模感 | 大規模かつ複雑な工事が対象 | 大規模かつ複雑な工事が対象 |
| 代表的な工事例 | ダム・高速道路・鉄道・空港・下水道 | 建築確認を要する新築・増改築工事 |
| 関連する専門工事 | 管工事・水道施設工事との区分に注意が必要 | 各専門工事を単独施工する際は別許可が必要 |
両業種に共通しているのは、「元請として複数の下請業者を統括管理する立場」で工事を受注する点です。下請として個別の専門工事に従事する場合は、一式工事の許可ではなく、それぞれの専門工事の許可が必要となります。
他の専門工事との区分の考え方
土木一式工事と他の工事業との区分
土木一式工事は、特定の専門工事との境界線が曖昧になりやすいため、国土交通省の通達に基づいた区分の考え方が定められています。
①プレストレストコンクリート工事との区分
「プレストレストコンクリート工事」のうち、橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は「土木一式工事」に該当します。
→プレストレストコンクリート工事とは、あらかじめコンクリートに圧縮応力を加えることでひび割れを防止する工法を用いた工事のことです。橋梁など大規模構造物に多く用いられます。
②上下水道関連施設の建設工事との区分
上下水道に関する施設の建設工事については、「土木一式工事」「管工事」「水道施設工事」の3つにまたがるため、以下のように区分が定められています。
- 公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が「土木一式工事」
- 家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が「管工事」
- 上水道等の取水・浄水・配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造・設置する工事が「水道施設工事」
- なお、農業用水道・かんがい用配水施設等の建設工事は「水道施設工事」ではなく「土木一式工事」に該当する
農業インフラに関係する工事を計画している場合は、上記の区分を事前に確認しておくことが重要です。管工事や水道施設工事と混同しやすい区分のため、許可申請前に専門家に確認されることをおすすめします。
建築一式工事と他の工事業との区分
建築一式工事についても、専門工事との区分が問題になるケースがあります。
ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は「消防施設工事」ではなく、建築物の躯体の一部の工事として「建築一式工事」または「鋼構造物工事」に該当するとされています。
避難階段は消防設備と混同されやすいですが、建物の構造物として扱われる点がポイントです。工事の性質が「建物の躯体に固定されているか」「消防設備そのものか」で判断が分かれます。
許可申請でよくある落とし穴と注意点
一式工事に関して実務の相談対応を通じて多く見られる誤解をまとめました。許可申請の前にしっかり確認しておきましょう。
落とし穴①:一式工事の許可があれば何でもできると思っている
一式工事(土木・建築)の許可は、あくまで「元請として大規模な工事を統括管理する」ための許可です。電気工事・管工事・内装工事など各専門工事を単独で請け負うには、それぞれの専門工事許可が別途必要です。一式工事を持っているからといって、すべての専門工事が自由にできるわけではありません。
落とし穴②:下請として施工する工事にも一式許可が必要と思っている
一式工事の許可が必要となるのは、主に元請として工事全体を統括管理する場合です。下請として個別の専門的な作業に従事する場合は、当該専門工事の許可で対応することになります。受注形態と必要な許可の対応関係を整理しておくことが大切です。
落とし穴③:業種の選択を誤ったまま申請してしまう
土木工事と建築工事は現場によって混在するケースもあり、「どちらで申請すべきか」迷うことがあります。誤った業種で取得してしまうと、実際に行う工事が無許可営業となるリスクがあります。不明な場合は、許可行政庁(都道府県庁または地方整備局)への事前確認、または建設業許可に精通した行政書士へのご相談をおすすめします。
※最新の要件や区分については、管轄の窓口に必ずご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 土木一式工事と建築一式工事を両方同時に取得できますか?
はい、可能です。建設業許可は複数の業種を同時に申請・取得することができます。また、最初は一方だけ取得し、後から追加することも可能です。事業の内容に合わせて必要な業種をご選択ください。
Q2. 一式工事の許可があれば、下請に出す専門工事の許可は不要ですか?
元請として工事全体を請け負う立場であれば、各専門工事を下請業者に発注すること自体は問題ありません。ただし、自社で専門工事を直接施工する場合は、その専門工事の許可が別途必要です。下請業者が適切な許可を持っているかどうかの確認も、元請としての責任に含まれます。
Q3. 軽微な土木工事でも土木一式工事の許可は必要ですか?
建設業法では、軽微な工事(1件の請負金額が500万円未満の工事。ただし建築一式工事は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)については、許可がなくても請け負うことができます。この金額を超える工事を受注するには、必ず該当する業種の許可が必要です。
Q4. 農業用水路の整備工事は土木一式工事ですか、水道施設工事ですか?
農業用水道・かんがい用配水施設等の建設工事は、「水道施設工事」ではなく「土木一式工事」に該当すると定められています。農業インフラに関する工事を予定している場合は、土木一式工事の許可取得をご検討ください。
Q5. 建築一式工事の許可で内装工事も請け負えますか?
建築一式工事の許可のみでは、内装仕上工事を単独で請け負うことはできません。内装工事を単独で受注する場合は「内装仕上工事業」の許可が別途必要です。建築一式工事の許可は、新築・増改築など建物全体を元請として統括管理する工事に対応するものです。
まとめ
土木一式工事と建築一式工事は、いずれも「元請として大規模な工事全体を統括管理する」ための許可です。それぞれの特徴を改めて整理します。
- 土木一式工事:橋梁・ダム・道路・下水道など、土木工作物を総合的に建設する元請工事
- 建築一式工事:建築確認を要する住宅・ビルの新築・増改築など、建築物を総合的に建設する元請工事
業種の選択は許可申請の根幹にかかわる重要な判断です。どの業種で申請すべきか迷った場合や、複数業種の同時取得を検討している場合は、建設業許可に精通した行政書士へご相談ください。
※本記事の情報は2026年4月現在のものです。法改正等により要件が変わる場合がありますので、最新情報は管轄の許可行政庁(都道府県庁または地方整備局)にご確認ください。

