【不動産登記事項証明書の取得方法】どこの法務局でも取れる?

許認可の申請で添付することが多い「登記事項証明書」。

登記事項証明書とは、法務局で管理されている不動産や会社に関する登記情報を証明する公的な書類です。以前は「登記簿謄本」と呼ばれていたものにあたり、不動産の権利関係や会社の基本情報を確認する際に使われます。

不動産の場合は「所有者は誰か」「どのような抵当権が設定されているか」といった情報、法人の場合は「商号・本店所在地・役員情報」などが記載されています。

目次

不動産の登記事項証明書を取得するには?

不動産の登記事項証明書を請求する際には、「住所」ではなく「地番」を特定する必要があります。

住所と地番は一致しないことが多いため、注意が必要です。例えば「東京都新宿区西新宿1丁目1番1号」という住所の建物でも、登記簿上は「新宿区西新宿一丁目○番○」という地番で管理されています。

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もし住所しか分からない場合は、法務局の窓口や「ブルーマップ(住宅地図と地番を対応させた地図)」を利用して、地番を調べてから申請する流れになります。

どこの法務局で取得できるのか?

かつては「不動産の所在地を管轄する法務局」でなければ登記事項証明書を取得できませんでした。しかし現在は法務局がコンピュータ化(オンライン化)されているため、全国どこの法務局でも取得が可能です。

例えば、名古屋に住んでいる方が北海道の土地を相続する場合、わざわざ北海道の法務局まで行く必要はなく、名古屋法務局の窓口で請求すればその場で登記事項証明書を交付してもらえます。

また、郵送請求やオンライン請求(登記・供託オンライン申請システム=通称「かんたん証明書請求」)も利用できるため、遠方の不動産でも取得しやすくなっています。

3つの取得方法

登記事項証明書を取得する方法は主に3つあります。

  1. 窓口請求
    最寄りの法務局で「登記事項証明書交付申請書」を記入して提出します。
    • 手数料:1通600円
  2. オンライン請求・送付受領
    インターネットで請求し、郵送で受け取ります。
    • 手数料:1通520円
  3. オンライン請求・窓口交付
    インターネットで請求し、法務局窓口で受け取ります。
    • 手数料:1通490円

注意点とよくある失敗例

登記事項証明書を請求するときの注意点

  1. 住所ではなく「地番」で特定する
    → 不動産登記事項証明書は住所で管理されていないため、必ず地番を確認しましょう。
    → 新興住宅地や区画整理地区では特に間違いやすいポイントです。
  1. マンションは「家屋番号」が必要
    → マンションの登記事項証明書は「建物の家屋番号」で管理されています。
    → 同じ住所に複数のマンションが建っているケースもあるため、家屋番号の確認は必須です。
  1. 「全部事項証明書」と「現在事項証明書」の違い
    → 全部事項証明書:過去の履歴も含めてすべて記載
    → 現在事項証明書:現在効力のある事項のみ記載
    → 許認可申請では「全部事項証明書」が必要になるのが一般的です。

まとめ

  • 登記事項証明書は「住所」ではなく「地番」で特定する
  • 全国どこの法務局でも取得可能(オンライン化済み)
  • 誤請求を防ぐには事前確認が大切

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