共同担保目録とは?不動産取引で知っておきたい基礎知識を徹底解説!

不動産謄本を請求する際、「共同担保目録(きょうどうたんぽもくろく)」という言葉を目にします。不動産取引においては重要な情報の一つですが、一般的にはあまり馴染みがありませんよね。普段謄本を取得したり登記情報提供サービスで登記情報を閲覧する際に共同担保目録が必要になるシーンもそう多くはないので、気に留めたこともない人が大半ではないでしょうか。

目次

共同担保目録とは?その定義と役割

共同担保(きょうどうたんぽ)とは?

共同担保目録を理解するためには、まず「共同担保」が何を意味するかを知る必要があります。

共同担保とは、一つの債権(借りたお金など)を担保するために、複数の不動産に設定された担保(抵当権など)のことを指します。

【例】 3,000万円の住宅ローンを組む際、担保として「A土地」と「A土地に建つB建物」の2つの不動産を提供するケース。このとき、「A土地」と「B建物」は共同担保の関係にあります。

共同担保目録(きょうどうたんぽもくろく)とは?

共同担保目録とは、上記のような共同担保が設定されている場合に、その対象となっている全ての不動産(物件)をリスト化した公的な書類のことです。

簡単に言えば、「この借金(債権)を担保するために、どの不動産が使われていますか?」という情報が一目でわかるリストです。

なぜ共同担保目録が必要なのか?

この目録が必要とされる主な理由は、不動産取引の安全性を確保するためです。

(1) 担保状況の透明性の確保

抵当権などが設定されている不動産を購入したり、その不動産を担保にさらに融資を受けたりする際、「この不動産に、他にどんな不動産がセットで担保に入っているか?」を知ることは、物件の価値やリスクを正確に評価するために不可欠です。

もし目録がなければ、ある不動産を調べても、その裏で他の複数の物件が担保になっていることがわからず、取引が非常に複雑で危険になってしまいます。

(2) 債権額と担保物件の把握

金融機関などが融資を行う際、担保となっている不動産全体の価値が債権額に見合っているかを確認するためにも使われます。

共同担保目録はどこで確認できる?

共同担保目録は、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する際に、付随して発行を申請できる書類です。交付申請書の該当蘭で添付の旨を表示する(登記情報提供サービスの場合は請求内容選択の欄で該当項目にチェックを入れる)ことで確認可能です。

目録が添付されるのは、その不動産が実際に共同担保の対象となっている場合のみです。

まとめ

共同担保目録は、不動産取引の透明性と安全性を高めるために欠かせない公的なリストです。特に中古不動産の購入や、担保物件を扱う融資に関わる場合は、「共同担保目録付き」の登記事項証明書を取得することで、担保状況をしっかりと把握することができます。

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