- 2026/3/6~4/30 第3回小規模事業者持続化補助金(創業型)
- 創業1年以内の小規模事業者の開業直後の競争力強化を促進
- 2026/3/6~4/30 第3回小規模事業者持続化補助金(一般型通常枠)
- 小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援
- 2026/3/30~8/25 デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)
- 生産性向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援
- 2026/4/3~5/8 ものづくり補助金第23次公募
- 中小企業・小規模事業者の革新的な製品・サービス開発や海外需要開拓を支援
- 2026/4/中~5/中 第6回中小企業省力化投資補助事業(一般型)
- IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるオーダーメイド設備の導入を支援
- 2026/5/19~6/19 第4回中小企業新事業進出補助金
- 既存事業とは異なる新分野へ進出を促進
- 随時 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
- 予め登録された製品カタログから選ぶだけで申請可能
第4回中小企業新事業進出促進補助金を徹底解説!採択のために知っておきたいポイントも紹介
中小企業が新たな市場や事業領域への進出に挑戦する際、その資金負担を大きく軽減してくれる補助金が「中小企業新事業進出促進補助金(第4回)」です。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するこの補助金は、最大9,000万円(賃上げ特例適用時)の補助が受けられる大型支援策で、2026年6月19日まで申請を受け付けています。
本記事では、補助金の概要から申請の流れ、採択されるためのポイントまで、公募要領に基づいて詳しく解説します。

補助金の目的と背景
この補助金は、中小企業等が「既存事業とは異なる新事業」へ積極的に進出することを支援するために設けられました。新市場・高付加価値事業への参入を後押しすることで、
- 企業規模の拡大
- 付加価値の向上を通じた生産性向上
- 賃上げの実現
という好循環を生み出すことが目的です。単なる設備投資補助金ではなく、「新しい事業に踏み出す中小企業の挑戦」を支援するという点が、この補助金の核心です。
補助金の概要(補助金額・補助率)
補助金額
補助金額は申請事業者の従業員数によって異なります。
| 従業員数 | 補助金額(通常) | 賃上げ特例適用時(上限) |
|---|---|---|
| 20人以下 | 750万円〜2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 750万円〜4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 750万円〜5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 750万円〜7,000万円 | 9,000万円 |
最低補助金額は750万円で、補助金額がこれを下回る場合は採択取消となります。
補助率
- 通常:1/2(2分の1)
- 地域別最低賃金引上げ特例適用時:2/3(3分の2)
補助事業実施期間
交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)が事業実施期間です。この期間内に、発注・納入・支払・実績報告書の提出まですべてを完了させる必要があります。
対象となる事業者
補助対象者の基本要件
日本国内に本社および補助事業実施場所を有する以下の事業者が対象です。
(1)中小企業者
資本金または常勤従業員数が下表以下の会社または個人。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(一部除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
| その他 | 3億円 | 300人 |
(2)中小企業者等に含まれるその他法人
企業組合、農事組合法人、労働者協同組合など、従業員300人以下の特定法人。
(3)特定事業者の一部
中小企業者の基準を超えるが、資本金10億円未満かつ業種ごとの従業員数上限(製造業等500人、卸売業400人など)以下の事業者。
(4)対象リース会社
中小企業等がリースで機械装置等を導入する場合、中小企業等とリース会社の共同申請が可能。
補助対象外となる主な事業者
以下に該当する場合は申請できません。
- 過去16か月以内に新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金のいずれかに採択された事業者
- 従業員数が0名の事業者
- 創業後1年未満の事業者(最低1期分の決算書が必要)
- みなし大企業(大企業が発行済株式の1/2以上を保有する法人等)
- 直近3年の課税所得の年平均額が15億円超の中小企業者
- 収益事業を行っていない法人、政治団体、宗教法人など
- 暴力団関係事業者、経産省・中小機構から補助金交付等停止措置を受けた事業者
補助対象事業の要件(必ず確認!)
この補助金の審査において最も重要なのが、以下の要件をすべて満たす事業計画を策定することです。
(1)新事業進出要件
補助事業が「新事業進出指針」に定める「新事業進出」に該当することが必須です。具体的には以下の3つの要件すべてを満たす必要があります。
① 製品等の新規性要件
製造・提供する製品やサービスが、申請事業者にとって新規性を有するものであること。単なる既存製品の増産・再製造・製造方法の変更などは該当しません。
② 市場の新規性要件
製品・サービスが属する市場が、申請事業者にとって新たな市場であること。既存顧客と異なるニーズ・属性(法人/個人、業種、行動特性など)を持つ顧客層を対象とする必要があります。既存市場の一部を対象とするだけや、単に商圏が異なるだけでは認められません。
③ 新事業売上高要件
事業計画期間の最終年度において、新たな製品・サービスの売上高が応募申請時の総売上高の10%以上、または総付加価値額の15%以上を占める見込みであること。
(2)付加価値額要件
補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する事業計画を策定すること。
(3)賃上げ要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】
事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること。交付申請時までに、全従業員または従業員代表者に対して目標値を表明する義務があります。
(4)事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】
事業計画期間において毎年、事業場内最低賃金が補助事業実施場所の都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準であること。
(5)ワークライフバランス要件
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・公表していること(「両立支援のひろば」への公表が必要)。
(6)金融機関要件
金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、その金融機関から事業計画の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出すること。自己資金のみの場合は不要。
補助対象経費
この補助金では、以下の経費が補助対象となります。ただし、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必ず含まれていなければなりません。
対象経費の区分
| 経費区分 | 内容 | 主な注意事項 |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費(必須) | 専ら補助事業のための機械装置、工具・器具の購入・製作・借用、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用 | 単価10万円(税抜)以上のものが対象。単なる既存設備の置き換えは不可 |
| 建物費(必須) | 専ら補助事業のための生産施設・販売施設等の建設・改修 | 単なる建物の購入や賃貸は不可。入札または相見積もりが必要 |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等 | 機械装置等の運搬料は機械装置・システム構築費に含める |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費 | 書面による契約の締結が必要 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権等の取得に係る弁理士費用、外国特許出願の翻訳料など | 補助事業の開発成果に係るものに限る |
| 外注費 | 検査・加工・設計等の一部を外注する費用 | 上限:補助金額全体の10% |
| 専門家経費 | 学識経験者、フリーランス等の専門家へのコンサルティング費用 | 上限:100万円。謝金単価の基準あり(大学教授等:1日5万円以下) |
| クラウドサービス利用費 | 専ら補助事業のためのクラウドサービス利用費 | 他事業と共有する場合は対象外 |
| 広告宣伝・販売促進費 | パンフレット・動画・ウェブサイト構築、展示会出展等 | 上限:事業計画期間1年あたりの売上見込み額(税抜)の5% |
主な対象外経費
- 事務所の家賃・光熱費
- 人件費・旅費(事業に係る自社のもの)
- 汎用性のあるパソコン・タブレット・スマートフォン本体
- 車両(税法上の車両及び運搬具)・船舶・航空機
- 不動産の購入費
- 税理士・弁護士費用(補助事業に直接関係しないもの)
- 現金払い・手形払いによる支払い(銀行振込のみ対象)
申請の流れとスケジュール
第4回公募スケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年3月27日(金) | 公募開始 |
| 2026年5月19日(火) | 申請受付開始 |
| 2026年6月19日(金)18:00 | 応募締切(厳守) |
| 2026年9月頃(予定) | 補助金交付候補者の採択発表 |
申請から補助金受取までの流れ
- GビズIDプライムアカウントの取得(発行に約1週間かかるため早めに)
- 一般事業主行動計画の策定・「両立支援のひろば」への公表(1〜2週間かかるため早めに)
- 事業計画テンプレートを活用した事業計画の作成
- 必要添付書類の準備(決算書、労働者名簿等)
- 電子申請システムに事業計画内容を入力
- 添付書類をアップロード(ファイル名は所定の形式に従う)
- 外部支援者がいる場合は支援者情報(氏名・支援内容・報酬額・契約期間)の入力が必須
- 第三者委員会による書面審査
- 一定の審査基準を満たした事業者については口頭審査(オンライン・約15分)が実施される場合あり
- 口頭審査は申請事業者自身(法人代表者等)が対応必須。外部支援者・コンサルタントの同席は不可
- 採択された場合、商号・補助事業計画名等が公表される
- 採択後、事務局が実施する説明会への参加が必須(参加しない場合は採択無効)
- 補助対象経費の精査が行われ、交付決定額が確定(採択時の申請額から減額される場合あり)
- 賃上げ計画の表明書を全従業員に提出
- 3者以上からの相見積もり取得(契約額50万円以上の場合)
- 交付決定後に契約・発注・支払を実施(事前着手は補助対象外)
- すべての支払いは銀行振込で行う
- 補助事業完了から30日以内または完了期限日の早い日までに実績報告書を提出
- 事務局による実地検査の実施
- 補助金額の確定後、請求・支払
- 賃上げ要件・付加価値額要件の達成状況を毎年報告
- 要件未達の場合は補助金の一部または全額返還義務あり
加点・減点項目
加点項目(審査で有利になる要素)
以下の要件を応募締切日時点で満たしている事業者は、審査で加点されます。
- パートナーシップ構築宣言:ポータルサイトで宣言を公表している事業者
- くるみん認定:次世代法に基づくトライくるみん・くるみん・プラチナくるみんのいずれかの認定事業者
- えるぼし認定:女性活躍推進法に基づくえるぼし1〜3段階またはプラチナえるぼし認定事業者
- アトツギ甲子園:ピッチ大会に出場した事業者
- 健康経営優良法人2025:認定事業者
- 技術情報管理認証制度:認証取得事業者
- 成長加速マッチングサービス:会員登録し挑戦課題を登録している事業者
- 再生事業者加点:中小企業活性化協議会等から支援を受けている事業者
- 特定事業者加点:補助対象者(3)特定事業者の一部に該当する事業者
- 地域別最低賃金引上げ加点:2024年10月〜2025年9月の間、最低賃金近傍の従業員が全体の30%以上の月が3か月以上ある事業者
- 事業場内最低賃金引上げ加点:2025年7月から直近月にかけて63円以上の賃上げをした事業者
減点項目(注意が必要)
- 過去に他の補助金で賃上げ加点を受けて採択されたにもかかわらず、要件を未達成だった場合(未達報告から18か月間、大幅減点)
- 同一テーマ・設備への申請が集中し、過剰投資と判断された場合
- 過去の補助金で事業化が進んでいない場合(事業化段階3段階以下)
- 新事業進出指針で「評価が低くなる例」に該当する場合(容易に製造可能なもの、既存製品への容易な改変、単なる組み合わせ等)
採択されるためのポイントと注意事項
ポイント①:「新事業進出」の定義を正確に理解する
この補助金で最も重要なのが、「新事業進出指針」に基づく新規性の証明です。審査では「製品等の新規性」と「市場の新規性」の両方が求められます。
例えば、既存の飲食店が新メニューを追加するだけでは「市場の新規性要件」を満たしません。既存顧客ではない、全く異なる顧客層をターゲットにする必要があります。また、既存製品と「性能が有意に異なる」レベルの差異がなければ「製品等の新規性要件」も満たせません。
申請前に「新事業進出指針の手引き」を必ず熟読し、自社の事業が要件に合致しているかを慎重に確認しましょう。
ポイント②:「新市場性」または「高付加価値性」の明確な根拠を示す
審査では「新市場性」(社会における一般的な普及度・認知度が低い)か「高付加価値性」(市場の一般的な相場より高い付加価値)のいずれかを選択して訴求します。
重要なのは、客観的なデータ・統計等による裏付けです。「なんとなくニッチ」「独自性がある」という主観的な表現ではなく、市場調査データや統計を引用しながら論理的に説明することが求められます。政府が無料で提供する地域経済分析システム(RESAS)の活用も有効です。
ポイント③:賃上げ・付加価値の目標値は高めに、かつ実現可能な根拠を示す
賃上げ要件(3.5%以上)と付加価値額要件(4.0%以上)については、基準値を上回る高い目標値を設定した場合、その高さの度合いと実現可能性が評価されます。
ただし、目標値未達の場合は補助金返還義務が生じます。高すぎる目標値は採択に有利な反面、未達リスクも高まります。事業計画の収益予測に基づいた、野心的かつ実現可能な目標値の設定が重要です。
ポイント④:事業計画は申請者自身が作成する
外部のコンサルタントや認定支援機関に丸投げすることは禁止されています。外部支援者の助言を受けることは問題ありませんが、事業計画の作成主体はあくまで申請者自身でなければなりません。
口頭審査では法人代表者等が自ら説明することが求められ、「事業内容を把握していない」と判断されれば不採択となります。補助金獲得を目的として申請支援を行う業者の中には、不当な高額報酬を請求するケースもあるため、注意が必要です。
ポイント⑤:申請前の事前準備は余裕をもって行う
GビズIDプライムアカウントの取得には約1週間、一般事業主行動計画の「両立支援のひろば」への公表には1〜2週間かかります。これらが揃っていなければ申請できないため、締切直前に焦ることのないよう、少なくとも締切の1か月前から準備を始めましょう。
ポイント⑥:補助対象外経費に関する重要な注意点
- 交付決定前の着手は禁止:交付決定前に発注・契約した経費は一切補助対象外。採択通知が来ても、交付決定が出るまでは動いてはいけません。
- 支払は銀行振込のみ:現金払い・PayPay等の決済サービス・手形払いは対象外。
- 相見積もりの取得が必要:50万円(税抜)以上の契約は3者以上からの同一条件による見積もりが必須。
- 専ら補助事業のみに使用:補助事業で取得した財産を既存事業に使用した場合は、補助金返還の対象となります。
ポイント⑦:加点要件は計画的に取得を
パートナーシップ構築宣言、くるみん・えるぼし認定、健康経営優良法人認定などの加点要件は、取得に時間がかかるものが多く、申請直前では間に合いません。次回以降の申請を見据えて、計画的に取得しておくことをおすすめします。
必要な添付書類一覧
必須書類
- 決算書(直近2年分:貸借対照表・損益計算書等)
- 従業員数を示す書類(労働者名簿の写し)
- 収益事業を行っていることを説明する書類(確定申告書別表一・法人事業概況説明書等)
条件に応じて追加が必要な書類
- 金融機関による確認書(金融機関から資金提供を受ける場合)
- リース料軽減計算書・リース取引に係る宣誓書(リース会社と共同申請する場合)
- 再生事業者であることを証明する書類(再生事業者加点を希望する場合)
- 地域別最低賃金引上げに係る要件確認書・賃金台帳(該当特例・加点を希望する場合)
- 事業場内最低賃金引上げに係る要件確認書・賃金台帳(加点を希望する場合)
交付申請時に必要な書類
- 賃上げ計画の表明書(全従業員への賃上げ目標値の表明を示すもの)
まとめ
中小企業新事業進出促進補助金は、最大9,000万円という大型支援策であり、新事業への挑戦を本気で考えている中小企業にとって非常に有力な選択肢です。一方で、「新事業進出」の要件が厳格であり、賃上げ要件の未達に対する返還義務など、採択後も継続的な義務が生じる点には注意が必要です。
採択のカギは、客観的データに基づいた「新市場性」または「高付加価値性」の証明と、実現可能性の高い収益計画・賃上げ計画の策定にあります。事業計画は申請者自身が主体となって作成し、自社の強みと新事業の可能性を審査委員会に明確に伝えられるよう準備しましょう。
締切は2026年6月19日(金)18:00です。GビズIDの取得や一般事業主行動計画の公表など、時間がかかる事前準備から早めに着手することをおすすめします。
※本記事は「中小企業新事業進出促進補助金(第4回)公募要領(令和8年3月、1.0版)」に基づいて作成しています。公募要領は改訂される場合がありますので、最新情報は事務局の公式ホームページでご確認ください。

