同性婚訴訟が最高裁大法廷へ|2026年の状況

最高裁判所第三小法廷は2026年3月25日、同性同士の婚姻を認めない民法や戸籍法の規定が憲法に違反するとして争われている6件の訴訟について、審理を大法廷に回付することを決定しました。高等裁判所の段階では5件が違憲、1件が合憲と判断が分かれており、最高裁が統一的な憲法判断を示す見通しです。

2026年9月時点で弁論期日は公表されておらず、判決は2027年にも言い渡されると報じられています。判決が出るまでの間も、当事者が法的な備えを進められる手段は変わりません。

※2026年9月現在の情報です。訴訟の進行状況は変わるため、最新の動きは報道や訴訟支援団体の公表内容をご確認ください(※要確認)。

目次

高裁の判断は5件が違憲、1件が合憲

全国5つの地方裁判所に提起された6件の訴訟は、いずれも控訴審を経て上告されています。高裁段階の判断は次のように分かれました。

裁判所判断時期
札幌高裁違憲2024年3月
東京高裁(一次訴訟)違憲2024年10月
福岡高裁違憲2024年12月
名古屋高裁違憲2025年3月
大阪高裁違憲2025年3月
東京高裁(二次訴訟)合憲2025年11月

根拠:時事通信「同性婚6訴訟、大法廷に回付 高裁判決割れる、統一判断へ―最高裁」(2026年3月25日)

争点となっているのは、主に憲法第14条第1項の法の下の平等と、第24条第2項が定める個人の尊厳と両性の本質的平等です。福岡高裁の判決では、第13条の幸福追求権との関係にも言及されました。

地方裁判所の段階では、違憲としたものが2件、違憲状態としたものが3件、合憲としたものが1件でした。控訴審で5つの高裁がそろって違憲と判断した後、2025年11月に東京高裁の別の裁判部が合憲との判断を示し、判断の分かれた状態で最高裁に持ち込まれる形になりました。

大法廷に回付されたことの意味

最高裁には、15人の裁判官全員で構成される大法廷と、5人ずつで構成される3つの小法廷があります。事件をどちらで扱うかは最高裁の定めによりますが、裁判所法第10条は、小法廷では裁判できない場合を定めています。

根拠:裁判所法(e-Gov法令検索)第10条

同条は、当事者の主張にもとづいて法律等が憲法に適合するかしないかを判断するとき、法律等が憲法に適合しないと認めるとき、憲法その他の法令の解釈適用について過去の最高裁の裁判に反するときを挙げています。

今回の回付は、最高裁がこの問題について正面から憲法判断を示す段階に入ったことを意味します。過去に大法廷で合憲と判断した前例と同じ結論を出す場合は小法廷でも裁判できるため、回付されたこと自体が、単なる形式的な手続きではないと受け止められています。

大法廷では、原告側と国側の双方の意見を聴く弁論が開かれたうえで判決が言い渡されます。弁論が開かれること自体は、原審の判断が維持されるか変更されるかを直接示すものではありません。

判決までに起きること

今後の流れは、弁論期日の指定、弁論の実施、判決言渡しという順に進みます。弁論から判決までは数か月空くことが一般的です。

2026年9月時点では、弁論期日は公表されていません。報道では、早ければ2026年度中に弁論が開かれ、判決は2027年にも言い渡されると伝えられています。

判決が違憲の判断を示したとしても、その日から同性婚ができるようになるわけではありません。婚姻に関する制度を整えるのは国会の役割であり、法改正までには別の時間がかかります。損害賠償請求の当否と、規定が憲法に適合するかという判断は、切り分けて考える必要があります。

逆に合憲の判断が示された場合でも、自治体のパートナーシップ制度や、契約による備えが失われるわけではありません。どちらの結論であっても、当事者が今できる手当ての中身は変わらないという点は押さえておいてください。

判決を待つ間にできること

制度が変わるまでの間も、契約と書面によって守れる範囲は広がっています。相続、医療、住まい、判断能力の低下という4つの場面は、いずれも現行法の枠内で手当てができます。

  • 遺言書:パートナーは法定相続人にならないため、財産を渡すには遺言が必要です。
  • 任意後見契約:判断能力が低下したときに、パートナーが財産管理や手続きを担えるようにします。
  • 死後事務委任契約:葬儀や行政手続き、住居の明渡しを任せられます。
  • パートナーシップ合意契約:二人の関係と取り決めを公的な書面で示せます。
  • 自治体の宣誓制度:行政サービスの利用や、事業者への関係の説明に使えます。

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よくある質問

大法廷に回付されたということは、違憲判断が出るということですか。

回付は憲法判断を示す手続きに入ったことを意味するもので、結論を示すものではありません。裁判所法第10条は、憲法に適合するかしないかを判断するとき、適合しないと認めるとき、過去の最高裁の判断に反するときを小法廷で裁判できない場合として挙げており、いずれの結論もあり得ます。

判決が出たら、すぐに結婚できるようになりますか。

判決は損害賠償請求の当否について判断するもので、判決によって婚姻届が受理されるようになるわけではありません。制度を整えるには法改正が必要で、そこには別の時間がかかります。

いま宣誓制度を利用していると、制度が変わったときに不利になりますか。

自治体の宣誓制度は要綱にもとづく制度で、戸籍や住民票に記載されるものではありません。将来の制度変更によって不利益が生じる仕組みにはなっていないため、現時点で利用できるサービスを受けるために活用して差し支えありません。

訴訟の進行はどこで確認できますか。

訴訟を支援する団体が期日や判決の内容を公表しているほか、報道でも節目ごとに伝えられます。判決言渡しの日程が決まれば、事前に公表されます。

まとめ

最高裁第三小法廷は2026年3月25日、同性婚を認めない規定をめぐる6件の訴訟を大法廷に回付しました。高裁段階では札幌、東京、福岡、名古屋、大阪の5件が違憲、東京高裁の別の裁判部による1件が合憲と判断が分かれており、最高裁が統一判断を示す段階に入っています。

2026年9月時点で弁論期日は公表されておらず、判決は2027年にも言い渡される見通しです。結論がどちらであっても、遺言書、任意後見契約、死後事務委任契約、パートナーシップ合意契約、自治体の宣誓制度という現行法の枠内でできる備えは変わりません。判決を待つ間も、手当てを進めておく意味は失われません。

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