
名古屋市ファミリーシップ制度は、二人が人生のパートナーであることを市に宣誓し、宣誓書受領証と受領証明カードの交付を受ける制度です。
宣誓の方法は対面のほかに申込フォームとウェブ会議があり、会場に出向かずに手続きを終えられます。費用はかからず、宣誓から交付までおよそ10日です。事前に住民票や独身証明書をそろえる必要があるため、書類の準備から逆算して日程を組むと手戻りがありません。
※2026年9月現在の情報です。要件や書類は変更される場合があるため、手続きの前に名古屋市の案内をご確認ください。
宣誓できるのは、5つの要件をすべて満たす場合

名古屋市は令和4年11月14日から宣誓の予約受付を開始し、同年12月1日から宣誓を始めました。宣誓するには、次の5つの要件をすべて満たしている必要があります。
| 要件 | 確認される内容 |
|---|---|
| 成年に達していること | 二人とも18歳以上であること |
| 市内在住か転入予定であること | 少なくともいずれか一方が市内に住所を有するか、市内への転入を予定していること |
| 宣誓者同士が婚姻していないこと | 二人の間に婚姻関係がないこと |
| 他にパートナーがいないこと | 他の者と婚姻やファミリーシップを形成していないこと |
| 近親者でないこと | ただし、ファミリーシップに基づく養子縁組後は対象となる |
性的少数者の方に限られた制度ではなく、さまざまな事情により婚姻制度や養子縁組制度を利用することができない方も対象とされています。二人の関係を市に届け出て、証明書の交付を受ける仕組みです。
子がいる場合は、子の名前を受領証に記載してもらうこともできます。その場合は、子との関係を確認できる書類が別途必要になります。
必要書類をそろえる
宣誓の前に用意する書類は次のとおりです。発行から3か月以内という期限が設けられているものがあるため、取得の順番に注意してください。
- 住民票の写し:発行後3か月以内のもの。二人分が必要です。
- 転入予定住所確認書類:転入予定の場合のみ。発行後3か月以内のもの。
- 独身証明書等:発行後3か月以内のもの。本籍地の市区町村で取得します。
- 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど。
- 通称名確認書類:通称名の使用を希望する場合のみ。
- 子の関係確認書類:受領証に子の名前の記載を希望する場合のみ。発行後3か月以内のもの。
独身証明書は本籍地でしか取得できないため、本籍が遠方にある場合は郵送請求に日数がかかります。ここが日程上の律速になりやすいので、最初に請求しておくのが確実です。
住民票は現住所の市区町村で取得します。二人が別々の市区町村に住んでいる場合は、それぞれが自分の住所地で取得してください。
宣誓の方法は3つから選べる

名古屋市では、会場に出向く方法のほかに、オンラインで完結する方法が2つ用意されています。
| 方法 | 手続きの流れ | 会場へ行く必要 |
|---|---|---|
| 対面 | 予約のうえ、イーブルなごやで宣誓する | あり |
| 宣誓用申込フォーム | 二人がフォームに入力し、必要書類を郵送する | なし |
| ウェブ会議 | 事前予約のうえ、画面越しに宣誓書へ自署し本人確認を受ける | なし |
対面での宣誓は、区役所ではなくイーブルなごやで行われます。受付時間は平日の午前10時から午後4時30分までです。
申込フォームを使う場合は、必要書類とあわせて返信用封筒を同封します。切手は180円分が必要です。郵送で完結するため、日中に時間を取りにくい場合はこの方法が使いやすくなります。
ウェブ会議はZoomを利用します。事前に予約したうえで、画面越しに宣誓書へ自署し、本人確認を受ける流れです。その後、書類を郵送します。
予約は電話(052-972-2234)、ファクス(052-972-4206)、または申込フォームから行えます。
費用と交付までの日数
宣誓および受領証等の交付に費用はかかりません。ただし、住民票や独身証明書を取得する際の交付手数料は自己負担となります。
宣誓から交付までは10日ほどかかります。交付されるのは、ファミリーシップ宣誓書受領証、ファミリーシップ宣誓書受領証明カード、宣誓書の写しです。
カードは携帯できる大きさなので、病院の窓口や不動産会社で関係を示す場面ではこちらが使いやすくなります。受領証は自宅で保管し、提出を求められたときに使い分けるとよいでしょう。
転入予定で宣誓した場合は、転入後に住民票を提出する手続きが別途必要になります。予約の際に、転入予定である旨を伝えておいてください。
受領証でできること・できないこと
受領証の提示により、名古屋市および愛知県の行政サービスが利用できます。利用できるサービスの一覧は、名古屋市がPDFで公開しています。
愛知県は令和6年4月1日から愛知県ファミリーシップ宣誓制度を実施しており、県内自治体間の連携によって、転入・転出の際に生じる手続きの負担が軽減されています。名古屋市から県内の他市町村へ引っ越す場合も、手続きが簡略化される仕組みです。
参考:名古屋市「パートナーシップ・ファミリーシップ制度にかかる自治体間連携」
一方で、この制度に法律上の効力はありません。受領証があっても法定相続人にはならず、財産を渡すには遺言書が必要です。医療の同意や税制上の扱いについても、婚姻と同じ効果は生じません。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 市営住宅への申込みなど行政サービスの利用 | 相続人になること |
| 病院や事業者への関係の説明 | 医療同意を代わりに行うこと |
| 民間サービスでの家族としての取扱い(事業者による) | 配偶者控除などの税制上の取扱い |
法的な備えは、公正証書による契約で補うことになります。必要な書類と費用は同性カップルの公正証書4点セット|費用と手順、財産の渡し方は同性パートナーに相続権はない|財産を渡す4つの方法で扱っています。
よくある質問
二人とも名古屋市外に住んでいますが、宣誓できますか。
少なくともいずれか一方が市内に住所を有しているか、市内への転入を予定していることが要件です。二人とも市外に住んでいて転入の予定もない場合は、宣誓できません。愛知県の制度や、住んでいる市町村の制度を確認してください。
独身証明書はどこで取れますか。
本籍地の市区町村で取得します。窓口のほか郵送でも請求できますが、往復の日数がかかります。発行後3か月以内のものが必要なので、早すぎる時期に取得しないよう注意してください。
宣誓した事実が戸籍に残りますか。
ファミリーシップ制度は自治体の要綱にもとづく制度であり、戸籍や住民票に記載されることはありません。婚姻届のように身分関係が変わる手続きではないためです。
関係を解消したい場合はどうすればよいですか。
返還届など、所定の手続きが定められています。受領証とカードを返還する流れになるため、詳細は男女平等参画推進課に確認してください。
まとめ

名古屋市ファミリーシップ制度は、成年に達していること、いずれか一方が市内在住か転入予定であること、二人が婚姻していないこと、他にパートナーがいないこと、近親者でないことの5要件を満たせば宣誓できます。宣誓は対面のほか、申込フォームとウェブ会議でも行え、費用はかかりません。
準備でつまずきやすいのは独身証明書です。本籍地でしか取得できず、発行後3か月以内という期限もあるため、ここから逆算して日程を組んでください。宣誓から交付までは10日ほどかかります。受領証は行政サービスの利用や関係の説明に役立ちますが、相続や医療同意には効力がないため、公正証書による契約とあわせて備えを整えることをおすすめします。
