- 2026/2/17~3/26 第3回中小企業新事業進出補助金
- 既存事業とは異なる新分野へ進出を促進
- 2026/2/24~3/26 中小企業成長加速化補助金2次公募
- 事業拡大のための大規模な設備投資を後押し
- 2026/2上旬~下旬 第5回中小企業省力化投資補助事業(一般型)
- デジタル技術の活用による省人化・効率化を支援
- 随時 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
- 予め登録された製品カタログから選ぶだけで申請可能
【中小企業新事業進出促進補助金】第1回採択結果から読み解く3つの傾向と頻出ワードを分析!
2025年10月に発表された「中小企業新事業進出促進補助金(第1回)」の結果は、申請数3,006件に対し採択数1,118件、採択率37.2%という結果でした。
補助金の採択案件には傾向があります。むやみやたらに事業計画を作成するのではなく過去の採択結果を分析することで、対策が可能です。
本記事では、今後中小企業新事業進出促進補助金の申請を検討している方向けに、第1回の採択事業の傾向を解説すると共に、事業計画を立てる際の対策を紹介します。
業種別の採択率と傾向
業種別の傾向としては、製造業の採択数が多く、採択率も突出して高いです、卸売業・小売業・建設業が続きます。宿泊・飲食サービス業は他業種に比べて採択率は低く、単なる新事業への進出ではなく、他業種や隣接ビジネスとの融合など一定の工夫が必要と言えます。業種ごとの傾向としては以下の通りです。
| 業種 | 応募件数 | 採択数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 617 | 320 | 51.9% |
| 卸売業・小売業 | 458 | 166 | 36.2% |
| 建設業 | 433 | 158 | 36.5% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 316 | 77 | 24.4% |
| 情報通信業 | 255 | 71 | 27.8% |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 193 | 66 | 34.2% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 183 | 65 | 35.5% |
| 不動産業・物品賃貸業 | 160 | 41 | 25.6% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 138 | 45 | 32.6% |
| その他 | 283 | 109 | 38.5% |
製造業
設備投資の目的が明確にしやすいこと、生産性向上の数値を示しやすいことが理由と考えられます。
建設業・卸売業
安定した採択数となっており、単なる機材導入ではなく「新工法の導入」や「自社ブランド開発(卸からメーカーへ)」といったストーリーが共通しています。
宿泊業・飲食・サービス業
採択率は平均より低めですが、採択された案件は「インバウンド」や「DXによる省人化」「地域資源の活用」といった要素を盛り込むことで高い評価を得ていることが考えられます。
採択事例に共通する頻出キーワードと有効な対策
採択された事業計画のタイトルには、以下のような言葉が頻繁に登場します。これらは国が推進したい「重点テーマ」と合致しています。
①先端技術・DX系
DX化による生産性向上の1つの重要な観点が「属人化からの脱却」です。
単に「効率化のためにAIを入れる」では弱いので、もう一歩踏み込んだ成果を強調することが大事です。採択例では、「ベテラン職人の勘をAIでデータ化し、経験の浅い若手でも高品質な製造を可能にする」といった、人手不足や技術承継の解決策としてDXを位置づけています。
自社の「これ、あの人にしかできないんだよな」というブラックボックスな工程を、デジタルでどう見える化できるか考えてみましょう。
②グリーン・GX系
環境課題への対策として、時代に合わせた転換が強く意識されています。「地球に優しく」というレベルではなく、「既存の主力市場が縮小するから、成長市場へ舵を切る」という必然性を訴えるのがポイントです。
例えば、「ガソリン車の部品製造から、培った精密加工技術を活かしたEVモーター部品への転換」のような、生き残りをかけた転換ストーリーが高い評価を得ています。
5年後、自社のメイン市場がどう変わるか予測し、そこに向けた「攻めの転換」を計画の柱に据えましょう。
③観光・地域資源系
単なる宿泊・飲食ではなく、地域の他事業者と連携し、地域全体の魅力を高める視点がある計画が選ばれています。「自社の売上が上がる」だけでは不十分です。「自社がこの新事業を始めることで、近隣の飲食店や宿泊施設、農家にもプラスの影響が及ぶ」という地域経済への波及効果を強調している計画が選ばれています。
連携できる地域のパートナー(仕入先や観光施設など)を巻き込んだ、面的な広がりを計画書に書き込みましょう。
3. 採択率を左右した「意外なポイント」
データから見えた、数字以上の注目ポイントが2つあります。
申請金額が高いほど採択率が上がる?
データによると、補助金額が3,000万円を超えるような大型案件ほど採択率が高い傾向にありました。これは「大きな投資をする=それだけ緻密で覚悟のある事業計画を準備している」と判断された結果と言えます。「とりあえず1,000万円くらい」という中途半端な計画より、攻めの姿勢が評価される傾向にあります。
小手先の設備更新ではなく、「会社の未来を大きく変えるために、これだけの投資が必要なんだ」という覚悟が見える計画の方が、結果として「実現可能性が高い(本気度が高い)」と判断されていると考えられます。予算を削ることを先に考えるのではなく、「新事業を成功させるために本当に必要な設備は何か」から逆算して、説得力のある投資計画を立ててください。
「加点項目」を徹底的に取りに行っている
採択された企業の多くが、複数の加点項目を積み上げています。合格ラインのボーダー付近では、この数点の差が合否を分けていたと考えられます。
特に、今の物価高騰下において、賃上げは国が最も重視している項目の一つです。単に「上げます」と書くのではなく、「新事業によって利益率が〇%改善するから、その原資を従業員に〇%還元できる」という、収益と分配の論理的なつながりを示しましょう。
また、第1回では、採択された1,118者のうち、590者(約53%)が「米国の追加関税措置等により影響を受けた事業者」として加点対象となりました。この結果から、国際情勢(追加関税など)の影響を受けた企業への配慮が考えられます。自社の業界が直面している「逆風」を正直に伝え、それをどう「新事業という追い風」で克服するかを書くことが加点に繋がります。
まとめ
第1回の傾向を踏まえると、以下の要素を盛り込むことが重要です。
- 「国策」に乗る:DX、GX、インバウンドのいずれかの要素を強引にでも(論理的に)絡める。
- 「転換」を強調する:「今までのやり方では通用しないから、この設備を入れてこう変わるんだ」という強い危機感と決意を示す。
- 「加点」を妥協しない:賃上げ要件などはハードルが高いですが、ここを避けると採択率はガクッと下がります。

