公図と地積測量図の違いと取得方法
不動産(土地)に関する手続きでは、「公図」と「地積測量図」などの図面が必要になる場面があります。混同されやすいですが、目的・精度・役割が異なる図面のため、シーンに応じて使い分けが必要です。
目次
公図とは
公図とは、土地の位置関係や形状の概略を示した図面です。主に、土地のおおまかな区画配置を確認するための図として利用されます。
● 特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 土地の位置・隣地との配置を把握する |
| 精度 | 低い(目安図) |
| 作成の由来 | 旧土地台帳附属地図を基礎としており、明治期の測量を元にしている地域が多い |
公図は、正確な面積や境界を証明するための図面ではありません。あくまで大まかな位置関係を確認するための資料です。
地積測量図とは
地積測量図とは、境界点の座標値・距離・角度などを正確に測量した図面です。登記簿に記載されている土地の面積(地積)を確定するために作成されます。
● 特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途 | 境界確認・面積算定・土地売買・相続など |
| 精度 | 高い(実測に基づく) |
| 作成者 | 主に土地家屋調査士 |
| 登記所に備え付けられるタイミング | 地積更正登記や分筆登記が行われた際 |
つまり、「境界を確定したい」「売買価格の根拠が必要」「相続評価を正確にしたい」といった場面で必要なのが地積測量図です。
公図と地積測量図の違い(まとめ)
| 公図 | 地積測量図 | |
|---|---|---|
| 精度 | 低い・参考資料 | 実測に基づき精度が高い |
| 主な目的 | 土地の配置や形状の把握 | 面積確定・境界確定 |
| 法的効力 | 境界を証明する力はない | 境界確定の根拠資料となる |
| 作成の背景 | 歴史的資料が多い | 登記手続きに伴って作成 |
取得方法
公図の取得
- 取得場所:法務局の窓口 または 法務局オンライン申請
- 名称:法務局では「地図(公図)」または「地図に準ずる図面」と案内されます
- 手数料:1通 450円前後(窓口)
※ オンライン閲覧は「登記情報提供サービス」で可能(印影のついた正式書類にはならない)
地積測量図の取得
- 取得場所:法務局(備付図面の交付請求)
- 手数料:1通 450円前後
- 注意点:すべての土地に備わっているとは限りません
- 分筆歴がない土地
- 昔の登記で実測が行われていない土地
などの場合、地積測量図は存在しないことがよくあります。
