不動産の謄本請求時の「全部事項」と「所有者事項」の違い

不動産の売買や相続、融資、各種申請などで必要となる不動産登記事項証明書

法務局・オンライン(登記情報提供サービスや法務局オンライン申請システム)で取得できますが、請求時には「全部事項証明書」「所有者事項証明書」のいずれかを選ぶ必要があります。

どちらを請求すればよいのかは、目的やシーンによって異なります。

目次

不動産登記事項証明書とは?

そもそも、不動産登記事項証明書は、不動産の権利に関する情報(所有者・住所・面積・抵当権等)を、法務局が管理している「登記簿」から証明する書類です。

登記簿は次のように構成されています。

区分内容
表題部土地または建物の物理的な情報(地目・地積、建物の構造・床面積など)
権利部(甲区)所有者に関する情報(所有者氏名・住所、持分など)
権利部(乙区)所有権以外の権利(抵当権・根抵当権・地役権等)

「全部事項証明書」と「所有者事項証明書」の違い

種類記載される情報何が確認できるか
全部事項証明書表題部 + 権利部(甲区・乙区)すべて所有者・抵当権・差押えなども含め、全情報を確認できる
所有者事項証明書現在の所有者に関する情報のみ所有者情報のみ確認できる(抵当権など乙区の情報は記載なし)

基本的には全部事項を取得する

基本的にはどのような場面でも全部事項証明書を取得します。不動産の謄本が必要になる場面では、現在の所有者情報のみならず、表題部に書いてる不動産の基本情報や抵当権などの権利情報、場合によりこれまでの権利移転の状況などを確認するからです。

では、所有者情報がどのような場面で必要になるかというと、純粋に今の不動産の持ち主だけわかればいい場合ですが、これは不動産業者などが対象物件について大量の所有者情報を調べる必要があるときなどのようです。全部事項の取得費用は331円、所有者事項の取得費用は141円で、倍以上異なります。数件であれば大した金額にはなりませんが、例えば100件200件と所有者情報の調査をしたい場合には数万単位で変わってきます。

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