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宅建業免許の必要書類一覧【東京都】
宅建業(宅地建物取引業)を営むには、宅建業免許を取得する必要があります。宅地建物取引業法第3条第1項で定められた許可制度であり、免許を受けずに営業することはできません。東京都で不動産業を始める場合、多くの事業者は「都知事免許」の申請対象となります。
宅建業免許の申請では、個人申請か法人申請かによって提出書類が一部異なります。あらかじめ自社に必要な書類を把握し、計画的に集める必要があります。
宅建業免許の必要書類は「3つのグループ」で整理する
東京都知事免許の申請書類は、「法人・個人の共通書類」「法人だけが追加する書類」「個人だけが追加する書類」の3グループに分けて考えると、一気に見通しがよくなります。
なぜグループ分けが有効なのでしょうか。理由は、書類の取得先がバラバラだからです。本籍地の市区町村、法務局、税務署、自分で作成する様式類と、集める窓口が分かれています。ひとつのリストとして眺めると数の多さに圧倒されますが、グループごとに「どこへ行けば何が揃うか」を整理すれば、移動と手間を最小限にできます。
| 区分 | 主な書類 | 主な取得先 |
|---|---|---|
| 共通(14種類) | 免許申請書、身分証明書、登記されていないことの証明書、略歴書、誓約書など | 本籍地の市区町村・法務局・税務署・自身で作成 |
| 法人のみ追加(3種類) | 履歴事項全部証明書、決算書の写し、相談役及び顧問・5%以上の株主等の名簿 | 法務局・自社で保管している資料 |
| 個人のみ追加(2種類) | 住民票、資産の状況を示す書面 | 住民登録地の市区町村・自身で作成 |
申請件数の多い東京都では、書類同士の記載内容が食いちがっていないかも丁寧に見られます。まずは全体像をつかむところから始めましょう。
前提知識:都知事免許と大臣免許はどちらを選ぶ?
書類集めに入る前に、自分がどちらの免許を申請するのかを確定させてください。判断基準はシンプルで、営業所(事務所)をどこに置くかだけで決まります。
- 都知事免許:営業所が東京都内のみ
- 大臣免許:2つ以上の都道府県にまたがって営業所を設ける場合
| 項目 | 都知事免許 | 大臣免許 |
|---|---|---|
| 営業所の所在地 | 東京都内のみ | 2つ以上の都道府県にまたがる |
| 申請先 | 東京都(都市整備局) | 国土交通大臣あて(提出先は最新の手引きで要確認) |
| 想定される事業者 | 都内で開業する多くの不動産会社 | 複数県へ支店を展開する事業者 |
ここでいう「営業所」とは、単なる住所ではなく、継続的に業務をおこなう拠点を指します。都内で1か所からスタートするなら、まず都知事免許と考えて差し支えありません。なお、後から他県へ支店を出すと「免許換え」の手続きが必要になります。将来の出店計画がある方は、この点も頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
※詳細は手引き等をご確認ください。
法人・個人共通で必要な書類一覧【東京都知事免許】

申請に必要な書類を、個人・法人それぞれの視点で整理しました。まずは、どちらの立場でも必ず提出する共通書類です。
- 免許申請書
- 身分証明書の原本 ★1
- 登記されていないことの証明書の原本 ★1
- 代表者の連絡先に関する調書
- 略歴書 ★2
- 専任の宅地建物取引士設置証明書
- 宅地建物取引業に従事する者の名簿
- 専任の宅地建物取引士の顔写真
- 宅地建物取引業経歴書
- 納税証明書の原本
- 誓約書
- 事務所を使用する権限に関する書面
- 事務所付近の地図
- 事務所の写真
★1…代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員について必要
★2…代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、専任の宅建士、政令使用人、会計参与、相談役、顧問の全員について必要
注目していただきたいのが、★印の範囲の広さです。代表者だけでなく、監査役や顧問まで対象に含まれます。これは、宅建業が消費者の大切な財産を扱う仕事であり、経営に関与する人物全員の適格性を確認する必要があるためです。名簿づくりの段階で対象者を洗い出しておくと、後の手戻りを防げます。
ちなみに、専任の宅地建物取引士(宅建士)は、事務所ごとに業務従事者5人につき1人以上の設置が求められます。宅建業法第31条の3にもとづく要件です。「5分の1以上」という具体的な割合は、同条の委任を受けた宅建業法施行規則第15条の5の3で定められています。人員配置が決まらないと申請そのものが進みませんので、書類集めと並行して固めておきましょう。
法人・個人それぞれが追加で提出する書類
法人が追加で提出すべき書類
- 相談役及び顧問、5%以上の株主・出資者等の名簿
- 履歴事項全部証明書の原本
- 決算書の写し
法人の追加書類は、会社の実体と経営の透明性を確認するためのものです。履歴事項全部証明書(登記簿謄本)では、目的欄に宅地建物取引業に関する記載があるかどうかが問われます。ここが抜けていると、目的変更登記からやり直しになります。会社設立と同時に免許取得を目指す方は、定款の目的をつくる段階で必ず確認してください。
個人が提出すべき書類
- 住民票の原本
- 資産の状況を示す書面
個人申請では、法人でいう登記簿や決算書の代わりに、住民票と資産の状況を示す書面で本人確認と財産状況を示します。法人と個人を比べると、個人のほうが提出書類の数は少なく済むという違いがあります。一方で、営業保証金の供託や保証協会への加入といった開業資金の準備は、法人・個人を問わず必要です。書類の少なさだけで判断しないようご注意ください。
間違えやすい書類の正体と、正しい集め方

身分証明書とは?運転免許証ではありません
最もよくある勘違いがこちらで、申請で必要な「身分証明書」は運転免許証などの本人確認書類ではありません。「成年被後見人または破産に関する証明書」であり、禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていないこと・後見の登記の通知を受けていないこと・破産の通知を受けていないことを証明するための書面です。
本籍地の市区町村役所でのみ取得可能で、住民登録地では取得できない点に注意が必要です。窓口のほか、郵送で取得できる市区町村もあります。郵送の場合取得に10日要します。
ここが最初の関門になりがちです。本籍地が遠方にある役員がいると、それだけで10日前後のロスが生まれます。役員が複数いる会社では、対象者に本籍地を早めに確認し、全員分の取り寄せを同時に走らせるのが賢い進め方です。

登記されていないことの証明書とは?
これは、成年被後見人や被保佐人に該当しないことを証明するためのものです。法務局で申請できます。申請には本人確認書類が必要で、代理申請も可能です。
身分証明書と名前が似ているため混同されがちですが、発行元がまったく違います。身分証明書は本籍地の市区町村、こちらは法務局です。2つで1セットと覚えておくと取りこぼしがありません。

誓約書や略歴書に決まった様式はある?
東京都宅建業免許申請用の様式があります。東京都都市整備局のウェブサイトや窓口で配布されています。ダウンロードして手書きまたは入力して使えます。
様式類は自作すると受け付けてもらえないおそれがあります。必ず都が配布する最新版を使ってください。年度替わりで様式が更新される場合もあるため、以前ダウンロードしたファイルを使い回さないことをおすすめします。
納税証明書は誰が何を用意する?
法人の場合、税務署が発行する直前1年分の法人税の納税証明書を添付します。(新設法人の場合は不要)
個人の場合、個人事業主の方は税務署が発行する直前1年分の所得税の納税証明書を添付します。給与所得者の方は市区町村が発行する直前1年分の課税証明書を添付します。課税証明書がとれない場合は直前1年分の源泉徴収票(法人の代表社員のあるもの)を添付します。
立場によって発行元が税務署と市区町村に分かれる点が、つまずきやすいところです。会社員から独立して開業する方は、税務署ではなく市区町村が窓口になると押さえておきましょう。
事務所の使用権限を示す書類とは?
指定様式に建物登記事項証明書・事務所の賃貸借契約書等の内容を記入します。建物登記事項証明書・賃貸借契約書の添付は原則必要ないとされていますが、必要に応じて事実を証明する書面の写しを求められる場合があります。
賃貸物件で開業する場合は、契約書の使用目的欄に注意してください。「居住用」となっていると、事務所としての使用権限を説明しにくくなります。物件を決める前に、事務所使用が可能かどうかを貸主へ確認しておくと安心です。
書類集めの落とし穴|有効期限と役員全員分
証明書の有効期限に注意
多くの証明書には発行後3か月以内という有効期限があります。早く集めすぎると期限切れになる恐れがあるので、申請直前に取得するのがベターです。
やる気のある方ほど、思い立った日にまとめて証明書を取りに行きがちです。ところが物件探しや人員確保に時間がかかると、申請前に期限が切れてしまいます。先に事務所と専任の宅建士を固め、証明書は最後に取る。この順番を守るだけで、二度手間をかなり減らせます。
役員が複数いる場合は全員分が必要
法人申請の場合、役員全員分の証明書類が必要になります。
非常勤の役員や、名前だけ載せている顧問も対象です。「関与が薄いから不要だろう」と自己判断で外してしまうと、審査の途中で追加提出を求められます。★印の範囲を一覧にして、対象者へ早めに協力を依頼しておきましょう。
初心者が間違えやすいポイント
- 「身分証明書」を運転免許証のコピーで用意してしまう
- 本籍地と住民登録地を取りちがえ、窓口で取得できない
- 会社の目的に宅地建物取引業の記載がないまま申請しようとする
- 証明書を早く集めすぎて、3か月の期限が切れる
- 役員の一部を対象から外してしまう
免許取得後によくあるのが、専任の宅建士や役員が交代したときの変更届です。免許は取って終わりではなく、体制が変わるたびに届出が必要になります。申請時に集めた書類は、今後の手続きでも使う情報源になりますので、控えを保管しておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 提出書類は全部でいくつになりますか?
A. 東京都知事免許の場合、共通書類が14種類あります。これに加えて、法人は3種類、個人は2種類を追加で提出します。ただし役員の人数によって、身分証明書などの通数は増えていきます。
Q2. 設立したばかりの会社でも納税証明書は必要ですか?
A. 新設法人の場合、法人税の納税証明書は不要とされています。まだ決算を迎えていない以上、納税の実績がないためです。
Q3. 証明書はいつ取りに行くのがベストですか?
A. 申請の直前です。多くの証明書は発行後3か月以内という有効期限があります。ただし身分証明書を郵送で請求する場合は10日ほどかかるため、その分だけ前倒しで動いてください。
Q4. 東京都と他県の両方に事務所を置く予定です。どうなりますか?
A. 2つ以上の都道府県にまたがって営業所を設ける場合は、都知事免許ではなく大臣免許の対象となります。都内1か所であれば都知事免許です。
Q5. 書類に不備があるとどうなりますか?
A. 補正を求められ、その分だけ免許の交付が遅れます。開業予定日から逆算してスケジュールを組んでいる場合は影響が大きいため、提出前のチェックが重要です。
まとめ:書類準備が免許取得の第一歩
宅建業免許の取得には、多くの書類が必要です。特に東京都では、細かい要件や書類の整合性が重視されるため、事前準備が成功のカギとなります。
あらためて要点を整理します。書類は「共通・法人追加・個人追加」の3グループで考える。身分証明書は本籍地でしか取れない。証明書の有効期限は発行後3か月。役員は全員が対象。この4点を押さえておけば、大きな遠回りは避けられます。
個人事業主の方も法人の方も、まずは必要書類の全体像を把握し、余裕を持って準備を進めましょう。
※様式や取扱いは変更される場合があります。最新の要件は、東京都都市整備局の手引きや管轄の窓口で必ずご確認ください。

