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宅建業免許の要件3つを解説!取得前に必ず確認
宅地建物取引業(宅建業)を営むためには、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づく免許を取得しなければなりません。免許申請では一定の審査基準があり、要件を満たしていないと申請が受理されないケースもあります。申請前に要件を正確に把握しておくことが、スムーズな免許取得への第一歩です。
- 宅建業免許に必要な3つの要件の概要
- 事務所として認められるための具体的な条件と注意点
- 専任の宅地建物取引士(宅建士)の設置基準と常勤・専任要件
- 欠格事由に該当するケースと確認方法
- 免許申請の流れと主な必要書類
宅建業免許の3つの要件【結論】
宅建業法第3条第1項に基づき、宅地建物取引業を営もうとする場合には都道府県知事または国土交通大臣の免許が必要です。審査では、以下の3つの要件を満たしているかが確認されます。
- 事務所の要件:継続的に業務を行える施設を有していること
- 専任の宅建士の要件:事務所ごとに一定数以上の専任宅建士を設置していること
- 欠格事由に該当しないこと:宅建業法第5条に規定する欠格事由に当たらないこと
これらはいずれも審査の重要な基準です。1つでも要件を満たさない場合は、免許を受けることができません。それぞれの要件について、以下で詳しく解説します。
要件① 事務所の要件
宅建業免許制度において、事務所は申請の核となる重要な要件です。宅建業法上の「事務所」とは、本店(主たる事務所)または支店(従たる事務所)のうち、継続的に宅建業の業務を行うための施設を有する場所とされています。
事務所として認められるためには、物件の種類・設備・運用の面でいくつかの条件を満たす必要があります。申請件数が多い知事免許の申請でも、この事務所要件の不備による補正・却下は少なくありません。
事務所に必要な設備・環境
事務所として認められるためには、以下の設備が整っていることが求められます。
- 応接スペース:顧客対応ができるよう、執務場所と明確に区別された応接セットがあること
- 執務スペース:従事する人数分の机・椅子が備わっていること
- 固定電話:事務所専用の固定電話が設置されていること(携帯電話のみは不可)
- 独立性:他の業者・業種と明確に区分されたスペースを確保していること
なお、開業後には宅建業者票と報酬額表の掲示が義務付けられています(宅建業法第50条)。申請前から設置スペースを確保しておくとスムーズです。
事務所として認められない場所
以下のケースは、原則として宅建業の事務所として認められません。物件選びの段階から意識しておくことが重要です。
- 一般の戸建て住宅・マンションの一室(居住スペースとの明確な区分ができない場合)
- 他の法人・個人と同一スペースを共有している場合(シェアオフィス等も要確認)
- プレハブ・コンテナなど仮設の建築物を事務所として使用する場合
ただし、自宅の一室を事務所とする場合でも、独立した入口・スペースが確保でき、居住部分と完全に区分されていると認められれば、審査のうえ許可されるケースもあります。判断は申請先の都道府県によって異なる場合があるため、事前に窓口へ相談することをおすすめします。
要件② 専任の宅地建物取引士(宅建士)の設置
宅建業法第31条の3に基づき、事務所ごとに専任の宅地建物取引士(宅建士)を設置することが義務付けられています。宅建士は重要事項説明や契約書への記名など、不動産取引における法定業務を担う国家資格者です。免許取得の要件としても、この専任宅建士の確保は欠かせません。
設置人数の基準
専任の宅建士は、1つの事務所につき従業者5名に1名以上の割合で設置しなければなりません。たとえば、従業者が10名の事務所では最低でも2名の専任宅建士が必要となります。
退職・移転などで専任の宅建士の数が基準を下回った場合、2週間以内に補充等の必要な措置を講じなければなりません(宅建業法第31条の3第3項)。この期間内に対応できないと行政処分の対象となり得るため、宅建士資格保有者を複数名確保しておくことが安全です。
常勤要件:通常の勤務時間に常駐していること
専任の宅建士として認められるためには、当該事務所の通常の勤務時間に常勤していることが求められます。以下のような場合は専任の宅建士として認められません。
- 通常の勤務時間に事務所へ常駐できない状態にある場合
- 社会通念上、通常の通勤が困難な遠隔地に居住している場合
- 育児休業・介護休業などで長期間不在となっている場合
専任要件:もっぱら宅建業の業務に従事していること
「専任」と認められるには、当該事務所の宅建業の業務にもっぱら従事していることが必要です。以下に該当する場合は専任の宅建士として認められません。
- 他の会社の代表取締役・常勤役員として業務に従事している場合
- 会社員として他の職業に常勤している場合
- 個人事業を営んでおり、そちらの業務にも従事している場合
なお、同一法人内であっても複数の事務所を兼任することは原則として認められません。専任の宅建士は特定の1事務所に専属することが求められています。
要件③ 欠格事由に該当していないこと
宅建業法第5条には免許の基準(欠格事由)が規定されており、該当する場合には免許を受けることができません。これは、法人の場合は役員(取締役・監査役・執行役など)全員について確認が必要となる点が特に重要です。
主な欠格事由は以下の通りです(宅建業法第5条第1項)。
- 情状が特に重い不正不当行為または業務停止・免許不正取得処分違反をして免許を取り消されてから5年を経過しない者
- 上記の処分に係る聴聞の公示後に廃業等の届出を行ってから5年を経過しない者
- 禁錮以上の刑、または宅建業法違反等による罰金刑に処せられてから5年を経過しない者
- 暴力団の構成員等であって、暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 5年以内に宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者
- 宅建業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
- 心身の故障により宅建業を適正に営むことができない者
- 事務所に専任の宅建士を設置していない者
法人申請の場合、役員のうち1名でも欠格事由に該当すると、法人全体として免許を受けられなくなります。申請前に全役員の経歴・身分証明書・登記記録を確認することが重要です。
免許申請の流れと主な必要書類
宅建業免許の申請先は、事務所の所在地によって異なります。事務所が1つの都道府県内のみの場合は都道府県知事免許、2つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣免許が必要です(宅建業法第3条第1項)。
申請の主な流れは以下の通りです。
- 事務所となる物件の確保・設備の整備
- 専任の宅建士の確定(宅建士証の有効期限確認を含む)
- 必要書類の収集・作成
- 申請書の提出(都道府県庁または地方整備局)
- 審査(標準処理期間:知事免許は約30〜40日、大臣免許は約3か月)
- 免許証の交付・営業保証金の供託または保証協会への加入
- 開業・宅建業者票および報酬額表の掲示
主な必要書類には、免許申請書・事務所の写真・専任宅建士の宅建士証・登記事項証明書(法人の場合)・身分証明書・納税証明書などが含まれます。都道府県によって必要書類が異なる場合があるため、事前に管轄窓口で確認することをおすすめします。
なお、免許取得後は5年ごとに免許の更新が必要です(宅建業法第3条第3項)。更新手続きも申請が必要なため、有効期限の管理を忘れずに行いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 自宅を事務所として宅建業の免許申請はできますか?
原則として、一般の戸建て住宅やマンションの一室を事務所とすることは認められていません。ただし、独立した入口・スペースが確保されており、居住スペースと完全に区分されていると認められる場合は、都道府県の審査により許可されるケースがあります。事前に申請先の窓口に相談して確認することをおすすめします。
Q. 宅建士の試験に合格していれば専任の宅建士になれますか?
試験の合格だけでは不十分です。宅建士証の交付を受け、有効期限内であることが必要です。さらに、常勤要件(通常の勤務時間に常駐)と専任要件(もっぱら宅建業の業務に従事)の両方を満たす必要があります。他社での常勤業務や個人事業との兼業がある場合は、専任の宅建士として認められません。
Q. 専任の宅建士が退職した場合、すぐに営業を停止しなければなりませんか?
退職等により専任の宅建士が不足した場合、2週間以内に補充等の措置を講じることで事業を継続できます(宅建業法第31条の3第3項)。補充が間に合わない場合は業務を自主的に制限することが求められます。このリスクを避けるため、宅建士資格保有者を複数名確保しておくことが安全です。
Q. 法人で申請する場合、役員全員の欠格事由を確認する必要がありますか?
はい。法人で宅建業免許を申請する場合、取締役・監査役など役員全員について欠格事由への該当有無を確認する必要があります。役員のうち1名でも欠格事由に該当すると、法人全体として免許を受けることができません。申請前に全役員の身分証明書・登記記録・納税証明書を確認してください。
Q. 都道府県知事免許と国土交通大臣免許はどちらが格上ですか?
免許の種別は業務の範囲を示すものではなく、事務所の所在地に基づく区分です。知事免許でも大臣免許でも、全国で宅建業を営むことができます。ただし、2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は大臣免許が必要です(宅建業法第3条第1項)。知事免許・大臣免許に優劣はありません。
まとめ:宅建業免許取得前に確認すべきポイント
宅建業免許の取得には、①事務所の要件、②専任の宅建士の設置、③欠格事由への非該当という3つの要件を満たすことが必要です。特に以下の点は見落としが多いため、申請前に必ず確認してください。
- 事務所の独立性・設備(固定電話・応接スペース・執務スペース)が基準を満たしているか
- 専任の宅建士が常勤・専任の両要件を満たしているか(宅建士証の有効期限も確認)
- 法人の場合は役員全員の欠格事由を確認しているか
- 免許取得後も専任宅建士の人数管理・5年ごとの更新手続きが必要であること
2026年4月現在の情報に基づいていますが、法令の改正や都道府県ごとの運用の違いがある場合があります。※最新の要件・必要書類については、必ず管轄の都道府県庁または国土交通省の窓口にご確認ください。

